ビットコインやアルトコインの仮想通貨の税制・税金計算については、その1その2でも記載した通り、本稿執筆時点で当局から具体的な取り扱いを示されていません。

同じく、どんな時に仮想通貨(の譲渡等)による収益・利益を認識するのかも、スタンダードなものはまだないと言えます。

そこで、今回は「仮想通貨の収益・利益はいつ認識する?」をテーマに書いていきます。

なお、長くなりますので前後編でお送りします。ちなみにあくまでも現時点での私見であることを重々承知の上ご拝読ください。

売却時はもちろん認識!

仮想通貨を売却した際に利益が出ていれば、もちろん売却時点で利益を認識します。

これは円建て(JPY)はもちろん、米ドル(USD)、ユーロ(EUR)であれ、法定通貨に換金した時点で認識することになります。現金を引き出したかどうかも関係ありません。

なお、外貨に換金した場合、更に日本円に換算した場合の金額で認識する必要があります。この為替レートについては議論の余地がありますが、取引当日のTTM(電信売相場と電信買相場の仲値)を適用することになると筆者は考えています。

※詳細は国税庁HP「法人税基本通達 第13章の2 外貨建取引の換算等」に記載がありますのでそちらで。

※つまり、海外の取引所等で外貨に換金した場合は非常にめんどくさい記録を作成する必要があるということです。ちなみにTTMは銀行等のホームページでも確認できます。

お買い物で利用したら?

最近では大手家電量販店をはじめとして、ビットコイン等を利用できるお店も増えてきました。

お買い物で仮想通貨を利用した際はどうなるでしょうか。

仮想通貨はモノと認識しますので、商品と物々交換することになりますね。

たとえば、1,000万円のベンツを、当日のレートで1,000万円分のBTC(但し、BTCは100万円で取得した)で買い物をした場合はどうなるでしょうか。

これは簿記や会計を習ったことのある方はご存知ですが、物々交換のそれぞれのモノを(法定)貨幣価値で評価することになります。

簡単に表現すると一旦仮想通貨(この例ではBTC)を現金(法定通貨)に換金したと同じと考えることになります。

『BTC→(現金→)ベンツ』、というように、( )の現金にするという作業を省いただけと考えるわけです。確かに、BTCでベンツを買った際は等価交換(どちらも同じ価値)なのでプラスマイナスゼロに見えますが、元々100万円で手に入れたモノで1,000万円のモノを新たに手に入れたわけですから、利益と認識して課税されることはご納得いただけるのではないでしょうか。

もしこのBTCの取得原価(買った値段)が100万円とすると、1,000万円との差額である900万円を利益として認識します。

他の仮想通貨に替えたら?

上記の通り、物々交換では一旦現金(法定通貨)に換金したとみなして考えるわけですので、例えば・・

  1. 100万円でBTCを取得した(取得原価100万円)
  2. そのBTCで交換時に250万円分のETHと交換した

という場合、交換時にETHの価値250万円―取得原価100万円=150万円の利益を認識します。

なお、特定の固定資産(土地・建物)については同種の物々交換で収益を認識しなくてもよい特例がありますが、仮想通貨はこれにあたりません。

※法定通貨の場合、例えば日本円を米ドルに替えた時は損益の認識は基本的にしません。資金決済手段である仮想通貨も何らかの手当がなされる可能性がありますが、現段階では資金決済法でも「売買できる財産的価値」と規定されており、モノと捉えているため、上記の通りと考えます。

※理解のポイントとしては、日本円建てで収益・利益の計算をするため、日本円→米ドルの両替では両替時点で損益はありませんが、BTC→ETHの交換では、BTCの日本円建ての時価が取得時と交換時とで異なるので損益を認識することになるのです。

かなり煩雑ですがきっちりと

ネット上では様々な見解が述べられていますが、非常に大切なのは、税理士か税務署の指導をしっかりと仰ぐことです。特に所得(利益)が多額になりそうな方は自己判断ではなく、専門家の指導を仰ぎましょう。

そして、面倒くさがらずにこまめに取引記録をつけることをお勧めします。というか、しないといけません。本当は、取引所さんがツールを提供してくれることが最も良いと思うところではありますが。

後編はマイニングやネット上で気になる見解を取り上げてみます。

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※本稿は平成29年8月31日現在の情報で執筆しております。
※記載されている内容は執筆時点で判明している法律・通達等に基づいて記載をしておりますが、その時点並びにそれ以降における正確性を保証するものではありません。また、一般的な事例を記載しておりますが、特定の個人や組織がおかれている状況に対応するものではありません。本稿を参考に何らかの行動を執られる場合には、税理士をはじめとする専門家にご相談の上ご判断ください

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