自治体が独自に課税することができる「法定外税」とは

(本記事は弊社事務所通信平成30年6月号に掲載された記事をWeb用に書き換えたものです)

世の中には、自治体が独自に課税することのできる税金というのがありまして、これを「法定外税」と呼んでいます。

道府県や市町村が課することのできる税金は一括で「地方税法」という法律の中で定められています。おなじみの住民税や事業税のほか、自動車税や固定資産税なども含まれているところ。これらは全国一律に課税されるものなのですが、条例を新設することによって独自の税目を定めることができるのです。その内容については総務大臣に報告し協議することとされていますが、よほどのことがない限り総務大臣はこれに同意しなければならないこととされており、地方自治の独立性を確保するものとされています。

いろいろと面白い(というと怒られるかもしれませんが)税金があるものです。

・ 核燃料税(福井県、愛媛県、佐賀県etc.):原子力発電所がある道府県にあります
・ 別荘等所有税(静岡県熱海市):ぜいたく税ですね。
・ 砂利採取税(神奈川県山北町):とりすぎ注意?利用者に課せられます。
・ 狭小住戸集合住宅税(東京都豊島区):30㎡未満のワンルームマンションを建築する建築主に、1戸あたり50万円課せられるもの。建てすぎ防止?
・ 空港連絡橋利用税(大阪府泉佐野市):関空に渡る橋です。橋渡るなら金払え…。

おおむね、こうした課税がなされるケースでは、その先にある行為について何らかの制限を加えたいという意図が見受けられます。税収確保以外に主目的があるものも多そうですね。実のない話、失礼いたしました…(つかれています)。

※本稿は平成30年5月31日現在の情報で執筆しております。
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