仮想通貨をご存知でしょうか。今回は仮想通貨ならびにその税制についてを書いてみましょう。

仮想通貨とは

小難しくなってしまいそうなので、Wikipediaにリンクしておきます。別名、暗号通貨ともいわれていますが、どこかの国が保証する通貨(たとえば日本国の円、アメリカの米ドル等)と異なり、どこの国も保証はしていないけど、資金決済に利用できるもの、という感じでしょうか。ざっくりしすぎですね。

とはいえ、この仮想通貨を利用しようとする日本の銀行も出てきておりまして(日経新聞記事)、仮想通貨のどんな国の通貨にも(たぶん)余計な手数料を支払わずに換金できる特性を生かして、資金移動の利便性はより一層高まるでしょうね。

仮想通貨の売買

さて、仮想通貨は売買できます。イメージは、米ドルを日本円に換金するのと一緒です。たとえば、『1ドル=120円』というレートがあるのと一緒で、『1仮想通貨=xxx円』というようなレートが存在します。

このレートは取引所があり(政府系の公的機関ではないですよ!)、常に変動しています。私が開設しているのはビットコインを扱うBitflyerですが、こちらでも変動するレートを確認できます

それではこの仮想通貨を売買したら、税金はどうなるのでしょうか。

仮想通貨は「モノ」です!

お金の売買・・・なんじゃそりゃ!ですよね。ちょっと頭の整理が要りそうですね。

円を売って米ドルに換える場合、得するでしょうか損するでしょうか。

答えは・・・得も損もしない!です。公定の為替レートがありますので、両替しても得も損もしません(本当はレート差額と為替手数料を支払っているので、損しますけど)。したがって、税金はかかりません。

では、古い100円札を売って1000円を手にした場合はいかがでしょうか。

これは税金がかかりますね。一応、昔の100円札も100円で利用できることになっている(はず)ですので、100円を1,000円で販売したのですから、税金がかかります。これは・・・何税でしょう。

答えは・・・国税庁ホームページで!・・・と言いたいところですが、明確には書いてありません。おそらく、譲渡所得としての課税になると筆者は思っております。

では、仮想通貨は・・・。

仮想通貨は現段階では「物品」と考えられています。というのも、本物の通貨ではないからです(というか『仮想』あるいは『暗号』ですから物品ですらないのですが、概念としてはモノととらえるということです)。これは実は似たような事案がありまして、通貨を売買することをモノと同じく雑所得としている例があります。FX(外国為替証拠金取引)です。国税庁ホームページ参照

FXの場合は申告分離課税(要するに他の所得とは切り分けて課税される)、所得税15%・住民税5%が課税されます(他に復興特別所得税も)。

では仮想通貨はどうかというと、申告分離課税にはなりません。この申告分離課税制度の適用は法令で限定されています(参考)。

したがって、現在、税制の手当てがなされていない仮想通貨に関しては、雑所得かつ総合課税(他の所得と合算して所得税を課税する方法)が原則であると考えます。……といっても、国税庁に明確な見解が示されていないので、あくまでも私見です。

なお、非常に多額かつ頻繁にトレードをしている場合は事業所得と考えることもできそうです。ただ、事業所得とするにはかなりハードルが高いような気もします。(これも明確な基準はないので、どう高いかは感覚的なものでしかありません)。ここらへんは、競馬(馬券)というギャンブルでの取引について、継続反復的に行ったものについて「雑所得」と判断された有名な事案が参考になりそうです。(参考に国税庁のHPよりこちら(PDF)

消費税は非課税になる予定

ちなみにモノですから消費税はかかります。

しかしながら、平成29年度税制改正において、非課税とする予定です(平成29年度税制改正大綱に「資金決済に関する法律に規定する仮想通貨の譲渡について、消費税を非課税とする」という記載があります)。予定では平成29年7月1日以後の取引分が対象です。

いずれにしても、仮想通貨に関する取引に関して税制は整っていません。これから(いやもう既に!?)巨大市場になっている仮想通貨。早々に税制を固めてほしいと思うところです。

※本稿は平成29年3月1日現在の情報で執筆しております。
※記載されている内容は執筆時点で判明している法律・通達等に基づいて記載をしておりますが、その時点並びにそれ以降における正確性を保証するものではありません。また、一般的な事例を記載しておりますが、特定の個人や組織がおかれている状況に対応するものではありません。本稿を参考に何らかの行動を執られる場合には、税理士をはじめとする専門家にご相談の上ご判断ください。

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